About the Kyohei Fujita Glass Museum

Greetings from Director

ガラスの美しさと、
松島の自然の美しさを
心ゆくまでご堪能ください。

私がガラス工芸の美しさと出会ったのは1987年の春。
ある式典で記念品として頂戴した「ガラスの徳利」を手にしたときでした。
それは日本を代表するガラス造形作家・藤田喬平氏の作品で、そのやさしい輝き、やわらかな色合いに魅せられてしまったのです。
その後、藤田喬平氏とお会いする機会を得、私の思いを素直に伝えたところ、「藤田喬平美術館」の開館を快諾してくださったのです。

「藤田喬平」の名称の使用をも許された当館は、「フジタのハコ」として世界的に有名な「飾筥」や「フジタのカンナ」といわれるカンナ文様の花器類、オブジェ、茶道具などを展示し、藤田喬平氏の作家人生の集大成です。
藤田喬平氏のガラスの美しさを、そして日本三景・松島の自然の美しさを心ゆくまでご堪能していただけるものと確信いたしております。

館長

髙橋 征太郎

【常設展】

FUJITA Collection

ガラスが創り出す
幻想的な空間。

美しい松島に見守られた館内は、
ガラスに情熱を注ぎ込んだ藤田喬平が創り出した
世界に誇れる名品・逸品の数々を
心ゆくまでご覧いただける空間です。

シアタールーム Theater Room

「藤田喬平って、どんな人?」「作品はどうやって作るの?」そんな疑問に答え、藤田喬平氏の芸術世界をよりやさしく、より身近に感じていただくための動画を上映しております。
日本で創作された飾筥やイタリアで創作された巨大なオブジェに取り組む姿をご覧いただけます。(放映時間約30分)

KYOHEI FUJITA

ガラスは正直だ。
作る人の感性が
そのままでてしまう。

1921年4月28日 - 2004年9月18日
東京府豊多摩郡大久保町(現・東京都新宿区百人町)生まれのガラス工芸家。

東京美術学校で彫金を学ぶが、途中でガラス工芸に転向する。
その後、色ガラスと金箔を混ぜた飾筥(かざりばこ)で独自のガラス工芸分野を確立した。
2002年ガラス工芸家として初の「文化勲章」を受章。

経歴

1921

大正10年

現在の東京都新宿区百人町に生まれる

1944

昭和19年

23歳 東京美術学校工芸科彫金部卒業

1947

昭和22年

26歳 岩田工芸硝子に入社

1955

昭和30年

34歳 市川市北方に転居

1957

昭和32年

36歳 上野松坂屋にて初の個展「藤田喬平手吹きガラス器新作展」開催

1961

昭和36年

40歳 日本橋高島屋にて「藤田喬平硝子工芸創作展」開催
以降毎年開催

1964

昭和39年

43歳 日本橋高島屋第4回個展にて、流動ガラス「虹彩」発表

1967

昭和42年

46歳 日本橋高島屋第7回個展にて、流動ガラス十数点発表

1973

昭和48年

52歳 日本橋高島屋第13回個展にて、飾筥最初の作品「菖蒲」発表

1974

昭和49年

53歳 神奈川県立近代美術館「日本のガラス展」出品

1975

昭和50年

54歳 デンマークの「世界のスタジオグラス展」に招待出品
日本を代表するガラス作家として高い評価を受ける
海外へ招待出品が頻繁となる

1976

昭和51年

55歳 日本ガラス工芸協会会長就任

1978

昭和53年

57歳 日本橋高島屋第18回個展にて、ベネチアムラーノ島にて制作の新作カンナ文様ガラス器発表

1980

昭和55年

59歳 『藤田喬平手吹きガラス作品集』(アート社)刊行

1981

昭和56年

60歳 スウェーデン・オレフォス社にてクリスタル・ガラス作品を制作
千葉県立美術館にて第1回「千葉美術工芸展」に代表理事として出品
以降1994年まで出品

1983

昭和58年

62歳 『藤田喬平版画集』(現代版画センター)刊行

1984

昭和59年

63歳 日本橋高島屋第25回個展にて、「風」「創生」など新たな造形上の大作発表

1985

昭和60年

64歳 NHK日曜美術館「アトリエ訪問-ガラスに日本美をこめて-」に出演

1986

昭和61年

65歳 第25回「日本現代工芸美術展」に招待出品し文部大臣賞受賞
『雅びの夢-藤田喬平ガラス』(京都書院)刊行

1989

平成元年

68歳 恩賜賞・日本芸術院賞受賞
日本芸術院会員に就任

1991

平成3年

70歳 朝日新聞社主催「古稀記念 藤田喬平の世界」展開催 (東京、大阪、京都、横浜高島屋巡回)

1992

平成4年

71歳 富山市文化センターにて「藤田喬平ガラス造形の世界展」開催

1994

平成6年

73歳 勲三等瑞宝章受章

1996

平成8年

75歳 宮城県松島に藤田喬平美術館開館

1997

平成9年

76歳 文化功労者として顕彰を受ける
紺綬褒章受章

1998

平成10年

77歳 アメリカ、ガラス・アート・ソサエティーよりライフタイム・アチーブメントアワード受賞

1999

平成11年

78歳 市川市名誉市民となる

2000

平成12年

79歳 『2000年記念出版 藤田喬平のガラス』(求龍堂)刊行
日本橋三越にて「〈一期一会〉 小倉遊亀・藤田喬平展」開催
千葉県立現代産業科学館にて「市川の文化人展-藤田喬平の世界展」開催

2001

平成13年

80歳 デンマーク コペンハーゲン、デンマーク工芸美術館にて個展
開催卒寿記念個展開催

2002

平成14年

81歳 文化勲章受章

2004

平成16年

83歳 9月18日逝去

Inheriting FUJITA's Works

  • JUN FUJITA

    1951年東京都生まれのガラス工芸家。父は同じくガラス工芸家の藤田喬平。
    大学卒業後にガラス造形の道を志し、風や大気・水をテーマに独自の作風で制作を続けている。近年では父の代名詞であった『飾筥』のシリーズも発表。2006年~2015年日本ガラス工芸協会理事長を務めるなど創作だけでなく文化活動も積極的に行っている。

  • SHIN FUJITA

    1953年東京都生まれ。画家。藤田喬平二男。
    東京藝術大学大学院彫刻家修了の後、「気」をテーマに木目を背景にしたレリーフ、またLEDを取り入れるなど絵画と彫刻の境界を越えた多様な技法を創造して制作を続けている。
    また、近年取り組んでいる新たなテーマとして、神器の鏡にインスパイアされたイメージを起点にして、古から続く日本の心の在り方と共生の表現を試みる作品を発表している。

  • SOHEI FUJITA

    1992年千葉県生まれ。祖父は文化勲章受章者・藤田喬平。父はガラス工芸作家・藤田潤。2016年早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。18年富山ガラス造形研究所造形科卒業。19年「国際ガラス展・金沢2019」武田厚審査員賞、23年千葉市に個人工房「びーどろ庵」設立。
    19年松島一の坊デラックスツインのお部屋を彩る代表作「杜の水月(C)」制作。

全国各地の作家による美しいガラスアートや、播州織「tamaki niime」のアイテムが並ぶミュージアムショップ、海とつながるガーデンでの散策をご堪能ください。