ガラスの美しさと、
松島の自然の美しさを心ゆくまで。
風光明媚な松島と
FUJITA WORLDの饗宴。
この美しさは、
けっして色褪せない。
「藤田喬平ガラス美術館」は、松島でもっとも景色の良い美術館として1996年4月に開館しました。
ガラス造形作家・藤田喬平氏の代表作「飾筥(かざりばこ)」をはじめとした作品の数々。
そして、四季を身近に感じとれる庭園、目の前に広がる松島の絶景を心ゆくまで堪能できる露台。
生命感あふれる多彩な空間は、訪れる人の心に「幸せな気持ちと『元氣』」を吹き込みます。
ガラスの美しさと、
松島の自然の美しさを
心ゆくまでご堪能ください。
私がガラス工芸の美しさと出会ったのは1987年の春。
ある式典で記念品として頂戴した「ガラスの徳利」を手にしたときでした。
それは日本を代表するガラス造形作家・藤田喬平氏の作品で、そのやさしい輝き、やわらかな色合いに魅せられてしまったのです。
その後、藤田喬平氏とお会いする機会を得、私の思いを素直に伝えたところ、「藤田喬平美術館」の開館を快諾してくださったのです。
「藤田喬平」の名称の使用をも許された当館は、「フジタのハコ」として世界的に有名な「飾筥」や「フジタのカンナ」といわれるカンナ文様の花器類、オブジェ、茶道具などを展示し、藤田喬平氏の作家人生の集大成です。
藤田喬平氏のガラスの美しさを、そして日本三景・松島の自然の美しさを心ゆくまでご堪能していただけるものと確信いたしております。
館長 髙橋 征太郎
藤田喬平ふじた きょうへい
ガラスは正直だ。
作る人の感性がそのままでてしまう。
1921年4月28日 - 2004年9月18日
東京府豊多摩郡大久保町(現・東京都新宿区百人町)生まれのガラス工芸家。
東京美術学校で彫金を学ぶが、途中でガラス工芸に転向する。
その後、色ガラスと金箔を混ぜた飾筥(かざりばこ)で独自のガラス工芸分野を確立した。
2002年ガラス工芸家として初の「文化勲章」を受章。
年譜
大正10年 (1921) | 現在の東京都新宿区百人町に生まれる | |
---|---|---|
昭和19年 (1944) | 23歳 | 東京美術学校工芸科彫金部卒業 |
昭和22年 (1947) | 26歳 | 岩田工芸硝子に入社 |
昭和30年 (1955) | 34歳 | 市川市北方に転居 |
昭和32年 (1957) | 36歳 | 上野松坂屋にて初の個展「藤田喬平手吹きガラス器新作展」開催 |
昭和36年 (1961) | 40歳 | 日本橋高島屋にて「藤田喬平硝子工芸創作展」開催 以降毎年開催 |
昭和39年 (1964) | 43歳 | 日本橋高島屋第4回個展にて、流動ガラス「虹彩」発表 |
昭和42年 (1967) | 46歳 | 日本橋高島屋第7回個展にて、流動ガラス十数点発表 |
昭和48年 (1973) | 52歳 | 日本橋高島屋第13回個展にて、飾筥最初の作品「菖蒲」発表 |
昭和49年 (1974) | 53歳 | 神奈川県立近代美術館「日本のガラス展」出品 |
昭和50年 (1975) | 54歳 | デンマークの「世界のスタジオグラス展」に招待出品 日本を代表するガラス作家として高い評価を受ける 海外へ招待出品が頻繁となる |
昭和51年 (1976) | 55歳 | 日本ガラス工芸協会会長就任 |
昭和53年 (1978) | 57歳 | 日本橋高島屋第18回個展にて、ベネチアムラーノ島にて制作の新作カンナ文様ガラス器発表 |
昭和55年 (1980) | 59歳 | 『藤田喬平手吹きガラス作品集』(アート社)刊行 |
昭和56年 (1981) | 60歳 | スウェーデン・オレフォス社にてクリスタル・ガラス作品を制作 千葉県立美術館にて第1回「千葉美術工芸展」に、代表理事として出品 以降1994年まで出品 |
昭和58年 (1983) | 62歳 | 『藤田喬平版画集』(現代版画センター)刊行 |
昭和59年 (1984) | 63歳 | 日本橋高島屋第25回個展にて、「風」「創生」など新たな造形上の大作発表 |
昭和60年 (1985) | 64歳 | NHK日曜美術館「アトリエ訪問-ガラスに日本美をこめて-」に出演 |
昭和61年 (1986) | 65歳 | 第25回「日本現代工芸美術展」に招待出品し文部大臣賞受賞 『 雅びの夢-藤田喬平ガラス』(京都書院)刊行 |
平成元年 (1989) | 68歳 | 恩賜賞・日本芸術院賞受賞 日本芸術院会員に就任 |
平成3年 (1991) | 70歳 | 朝日新聞社主催「古稀記念 藤田喬平の世界」展開催 (東京、大阪、京都、横浜高島屋巡回) |
平成4年 (1992) | 71歳 | 富山市文化センターにて「藤田喬平ガラス造形の世界展」開催 |
平成6年 (1994) | 73歳 | 勲三等瑞宝章受章 |
平成8年 (1996) | 75歳 | 宮城県松島に藤田喬平美術館開館 |
平成9年 (1997) | 76歳 | 文化功労者として顕彰を受ける 紺綬褒章受章 |
平成10年 (1998) | 77歳 | アメリカ、ガラス・アート・ソサエティーよりライフタイム・アチーブメントアワード受賞 |
平成11年 (1999) | 78歳 | 市川市名誉市民 となる |
平成12年 (2000) | 79歳 | 『2000年記念出版 藤田喬平のガラス』(求龍堂)刊行 日本橋三越にて「〈一期一会〉 小倉遊亀・藤田喬平展」開催 千葉県立現代産業科学館にて「市川の文化人展-藤田喬平の世界展」開催 |
平成13年 (2001) | 80歳 | デンマーク コペンハーゲン、デンマーク工芸美術館にて個展開催 卒寿記念個展開催 |
平成14年 (2002) | 81歳 | 文化勲章・文化功労者受章 |
平成16年 (2004) | 83歳 | 9月18日逝去 |
ガラスが創り出す幻想的な空間。
美しい松島に見守られた館内は、
ガラスに情熱を注ぎ込んだ藤田喬平が創り出した世界に誇れる名品・逸品の数々を心ゆくまでご覧いただける空間です。
飾筥 「日の出」
バッカス
瑞巌寺を想う
ヴェニス花瓶
「藤田喬平って、どんな人?」
「作品はどうやって作るの?」
そんな疑問に答え、藤田喬平氏の芸術世界をよりやさしく、より身近に感じていただくための映像をご用意しております。
日本で創作された飾筥やイタリアで創作された巨大なオブジェに取り組む姿をご覧いただけます。(放映時間約30分)